beonaroll × 瀧川鯉斗(落語家) 「絶好調な明日のために、私が私にできること」
「心と体の調子が整う“絶好調(be on a roll)”な明日のために、私が私にできること」をテーマにお届けするスペシャルインタビュー。
今回は落語家、瀧川鯉斗さんが登場。笑いや感動で人を癒し、幸せにしている鯉斗さんに、ご自身のセルフケアや、心と体の整え方などを中心に聞いてみました。
高座に上がってお客様を目の前にして話することにプレッシャーや緊張感はありますか?
「前座の時は演目を最後まで、落ちまで言うことに緊張していたんですけど、真打になってからは向き合い方が変わりまして、お客さまに喜んでもらうということが非常にプレッシャーになってきましたね。そこは常日ごろ意識していますし、大事にしたいなとも思っています。」
真打になった今でも緊張感やプレッシャーを感じていらっしゃるんですね。
「前座の時は、例えば話を間違えてしまうことがあっても、取りの師匠が代わりにお客さまを納得させてくださって、それを勉強させていただいたんですけれども、真打になった今は、自分が後輩たちに同じことをするということになるので、その責任感はすごくあります。ですから、日ごろの講座でのプレッシャーは大きいなと感じています。」
その中でベストを出すために心がけていることはありますか?
「落語は永久に勉強だって思っているんですけど、ベストと考えると、今の瀧川鯉斗という人相に合う古典落語をお客さまに伝えられたらなと思っていて、そのための確認作業や稽古はかなりやりますね。
落語は右左を向いて瞬時に人が変わるところがいい芸なんですけれども、それに加えて例えば、ここは声を張るところ、静かに喋るところといったテクニックが入ってくるんです。こういったこともかなり意識しながら、自分の中の今ある技術で、最高の話を提供したいなと日々心がけています。」
心と体を整えるためにしていることはありますか?
「今は柔術とサーフィンですね。」
柔術!? 柔術のどんなところが魅力なのでしょうか?
「ハマったきっかけはですね、朝、柔術をすると心と体がスッキリすることがひとつ。それから、柔術にはラッキー勝ちがないんですよね。考えて考えて、崩して崩して、その崩しも何百通りもあって、そこにもっていって決めるというスポーツだと思っているんですけれども、落語も同じで、間合いだったり、お客さまがどう思っているんだろう?だったり、そういったことを考えながら話しているので、そこが似ているなと思っていて、そういうところも魅力のひとつですね。」
高座に上がってから「今日はこうしてみようかな?」と考えながらお話しすることもあるんですね?
「ありますね。最初の枕っていう部分があるんですけれども、そこで色々な話をお客様に振って、こういう内容で喜んでくれているなとか、こういう内容でちょっと首をかしげているなとか、そこで状況判断をして、一番納得いただける落語を披露しようという時間がありまして、そのときの瞬時の判断がとても大切だと思っています。」
瞬時の判断ができようにするためにも、自分の心と体を整えておくことが重要ですよね。
「落語に対するパフォーマンスを上げるにはどうしたらいいか?って考えた時に、僕は体を動かすことが好きなので、柔術だったりサーフィンだったりをして、無理なくリフレッシュすることで、自分に戻れるという感覚があるんです。そうすると、また仕事を頑張ろうという力にもなります。やっぱりそういう時間を持つことがすごく大事ですね。」
気持ちの切り替えやリフレッシュを意識することが、仕事のパフォーマンスを上げることにもつながっている?
「はい、当然あると思いますね。お客様が見た時に、リフレッシュしてない、例えばちょっとしたイライラだったりが伝わってしまうので、いかにノンストレスな状態でお客様と向き合えるかが、僕はすごく大切だと思っています。」
体調管理で気をつけていることはありますか?
「柔術の大会に出るようになって、階級を下げるために体重を12kg落としまして、それから食材だったり量だったり、とにかく食事に気をつけるようになりました。体重を維持するために、外食が続いて1、2kg増えたなと思ったら減量メニューに戻すとか、 そういう調整が習慣になりました。
柔術やサーフィンのパフォーマンスも上がりますから、さらにリフレッシュになりますよね。お客さまに最高のパフォーマンスを届けるためにもなりますので、食事、体重管理は続けています。」
笑いには人を癒したり、ストレスを解消したりする力があると聞きます。笑いをお客さまに提供なさっている鯉斗さんご自身、笑いと癒しの関係ってどういう風に思われますか?
「高座上から皆さんが笑ってくださっているのを見ると、僕が柔術やサーフィンをしている時のすべてを忘れている状態ですかね、そのノンストレスな状態になっているのかなと思たったりするんです。
そしてそれはお互い様なんですよね。笑ってくださったり、感動してくださったりすると、「今日はいい仕事をしたな」とか、「嬉しいな」ってこちらも思う。生身同士ですからね、お互いに癒し合うというか、お互いにいい状態になっているなっていうのを非常に感じたりしますね。」
瀧川鯉斗
古典落語に取組み高い評価を得ている実力派真打。
寄席や独演会など落語家としての本業以外にも、テレビ番組の出演やファッション誌「LEON」でのモデル活動、また役者としても活躍し、ジャンルを越えて積極的に活動している。